今までのあみだくじにはもう飽きた、と思っていますね?え、考えたことすらない?
では考えて見ましょう。たとえば、下のあみだくじを見てください。
これはごく一般のあみだくじです。これでは、ただ単にくじでしかありません。ただ単に当選を決めるだけの。こんな単調なあみだくじでは他のくじに取って代わられ衰退していくと言うものです。
これからのあみだくじは違います。もはやくじと言う次元を超えるものなのです。
では、次のあみだくじを見てください。
あれ、さっきより2本少なくなってしまいましたね。さらになんかすっきりした感じがします。どこが変わったの、って思う方、どこが当選するか少し考えてみてください。
・・・
・・・
・・・
・・・
なんか、へんなことになりませんでした?
そう、
この○の部分ですね。
よくわからなくなったので、あみだくじのルールを確認してみましょう。
1.基本的には上から下に行く。
2.交差点では必ず曲がる。
の、2点ですね。では○に限って検討してみましょう。(考えたくない方はこちら。結論まで飛びます。)
A.上から来た場合。
これは最初の交差点で右に曲がって、一回折れて、次の交差点でさらに右に曲がって終了ですね。簡単。
B.右から来た場合。
これは最初の交差点で下に曲がって、一回折れて、次の交差点でさらに下に曲がって終了です。ああ、簡単だ。
C.左から来た場合。
これは、最初の交差点で下に曲がって、次の交差点で右に曲がって、一回折れて、その次の交差点で右に曲がると・・・ これではAと同じじゃあないか!なんだかおかしくなりましたね。
なんだかおかしくなったので、もう一回ルールを確認してみよう!
1.基本的には上から下に行く。
2.交差点では必ず曲がる。
でも、これではあの仕掛けは矛盾してしまいますよね?そうですね。
さて、ここからがあみだくじの構造改革です。
矛盾してしまうなら、新しくルールを作ればいいのです。そのルールとは、つまり、
3.スタートに戻る動きのときは、交差点でも曲がらない。
では、このルールにしたがって再び考えて見ましょう。(考えたくない方はこちら。結論まで飛びます。)
A.上から来た場合。
これは最初の交差点で右に曲がって、一回折れて、次の交差点でさらに右に曲がって終了ですね。
B.右から来た場合。
これは最初の交差点で下に曲がって、一回折れて、次の交差点でさらに下に曲がって終了です。
と、このとおりここまでは何にも変わりません。まあ、当然ですね。
C.左から来た場合。
これは最初の交差点で下に曲がって、次の交差点で右に曲がって、一回折れて、その次の交差点では、下から上に戻っているので右に曲がらずに、さらに折れて、更に次の交差点では下に曲がって、再び最初の交差点に来ると今度は左に曲がって一件落着ですね。
と、このように矛盾しません。やったね。
では、どの辺が構造改革なのでしょうか。
この3.のルールを適用することによって発生するメリットは、
1.より複雑になる。
2.より感動的になる。
3.よりスリルを味わえる。
とまあ、こんな感じでしょうか。ですが、これらは普通のあみだくじでも極端に長くすれば味わえることです。では、何が違うのでしょうか。
一番のメリットはと言うと、
あみだくじが芸術になる(試験に出ます。)
ということです。最初に言った、「くじと言う次元を超えるもの」ということはこういうことなのです。くじを楽しむのではなく、くじが当選を導くまでの道のり、予想と反する動きをしたときの感情の高まりなど、こうしたことで楽しむことができる、じつに味わい深い芸術となったわけです。まさにいとをかし。やったね。
もちろん、これは贅沢な遊びであり、高級な芸術です。ただ単に当選を決めるだけのときではじかんがかかりすぎるかもしれませんね。
今回の宿題
当選するのはどこでしょうか?
ヒント:A〜Eまですべてやってみるといいです。お勧めの順番は、E,A,C,D,Bです。
次回は実践編を予定しています。
あと、ここではあなたの芸術的なあみだくじを募集しています。
mailto: こちらまでお願いします。