2015年1月の税制改正により相続税が上がりました。それにより課税対象者も拡大されたと言われています。
『相続税なんてお金持ちだけの問題でしょ!』と思っている方、『良く分からないけどうちは、相続税がかかるのか
しら?』と不安に思っている方もたくさんいるかと思います。ここでは、そんな相続について基本的な事をご説明いた
します。
当事務所では『遺産分割協議書』、『財産目録』の作成及び相続業務に必要な手続きを行っております。また、相続税に関しては税理士、不動産などの登記に関しては司法書士と提携し総合的に相続業務を承っております。
相続
- 相続とは
・相続は、死亡によって開始する(民法第882条)
・相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし被相続人の一身に専属
したものは、承継しない。(民法第896条)
大切なご家族(被相続人)が亡くなったことにより、その方のプラスの財産(土地・建物・預貯金・証券など)、マイナスの
財産(借入金など)を残されたご家族(相続人)が受け継ぐことを相続といいます。
- 相続の承認又は放棄をすべき期間
相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に相続の手続きを行う必要があります。3ヶ月以内になにもしないと被相続人の権利義務(プラスとマイナスの財産両方)をすべて相続(単純承認)したものとみなされます。
(民法第915条)
- 相続承認と放棄について
被相続人の財産を受け継ぐ方法が単純承認・限定承認・相続の放棄と3つあります。
・単純承認 ⇒ 被相続人のプラスとマイナスすべての財産を無条件に相続すること
・限定承認 ⇒ 被相続人のプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続すること
相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に相続財産の目録を作成し
被相続人の住所地の家庭裁判所へ提出及び限定承認をすることを申告する必要があります。
・相続の放棄⇒ 被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も一切相続しないこと
相続の開始があったことを知った日から3か月以内に被相続人の住所地の家庭裁判所へ相続の
放棄をすることを申告する必要があります。
- 法定相続人
一般的な法定相続人と順位
祖父母(死亡)
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父 - 母 (第2順位)
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兄弟姉妹 ー 被相続人 - 配偶者(常に法定相続人)
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甥・姪 子 (第1順位)
(兄弟姉妹が死亡の場合) |
孫
(子が死亡の場合第1順位)
- 法定相続分
法定相続分とは民法で定められた財産の分け方です(法定分割)。必ずこの分け方をしなければいけないという訳では
ありません。相続人全員で話し合い被相続人の財産を誰が何をどれだけ相続するのかを決めることもできます(協議分割)。
そして、被相続人が残した遺言書の内容どおりに財産を分けるという方法もあります(指定分割)。
法定分割
①配偶者・子が相続人である場合
・配偶者(夫or妻) 2分の1 (子の人数に影響されない)
・子 2分の1 (子全体の相続分)
【例】 夫が亡くなり1,000万円の財産があります。相続人は妻、子が2人です。
法定分割をすると以下のようになります。
妻 ⇒ 500万円 / 子1 ⇒ 250万円 子2 ⇒ 250万円
②配偶者・父母又は祖父母(直系尊属)が相続人である場合
・配偶者 3分の2 (直系尊属の人数に影響されない)
・父母又は祖父母 3分の1 (直系尊属全体の相続分)
【例】 夫が亡くなり900万円の財産があります。相続人は妻、夫の父、母です。
妻 ⇒ 600万円 / 夫の父 ⇒ 150万円 夫の母 ⇒ 150万円
③配偶者・兄弟姉妹が相続人である場合
・配偶者 4分の3 (兄弟姉妹の数に影響されない)
・兄弟姉妹 4分の1 (兄弟姉妹全体の相続分)
【例】 夫が亡くなり800万円の財産があります。相続人は妻、夫の兄、妹です。
妻 ⇒ 600万円 / 夫の兄 ⇒ 100万円 夫の妹 ⇒ 100万円
協議分割
相続人全員で話し合いをし財産分割の内容に全員が合意したら、『遺産分割協議書』と『財産目録』を作成します。そして相続人それぞれの届出印を押印します。その『遺産分割協議書』、『財産目録』、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本などが整えば相続業務を開始することができます。
指定分割
被相続人が残した遺言書の内容にそって相続します。遺言書の種類によっては、相続業務を開始する前に裁判所で手続きをする必要がある場合もございますのでご注意ください。詳しくお知りになりたい方は、『遺言』のページをご覧ください。